VHERNEN / .S.y.b.e.r.i.a.

EP, Self-Released
July 14th, 20067


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

デンマーク領フェロー諸島産。06年EPのCD再販500リミテッド。

Vhernen氏による独りアンビエント/アトモスフェリック/ドゥームブラック。

荒廃した独特の世界観、暗雲立ち込める空の遥か果てに射し込む一片の光。そういったVHERNENの世界はこのEPからすでに健在。

しかしいかんせん私、1stからこのバンドを知ってしまったからか、このEPの音質や展開その他諸々が(当然ではあるが)1stに及ばないため&この作品の方がよりノイジーであり聴き取り難く完成度が低いためかあまり楽しめず。1stより先にこちらを聴いていればまた全然違っていただろう。しかしながら前述のとおりVHERNENらしさは存分に楽しめるし、4曲目あたりはとても素晴らしい。

ファン&マニア以外は(1stをすでに持っているなら)買う必要なし?




VHERNEN / Vhernen

Full-length, Eerie Art Records
December 29th, 2007


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

デンマーク領フェロー諸島産。1st。

Vhernen氏による独りアンビエント/アトモスフェリック/ドゥームブラック。

第三次世界大戦勃発後の世界、核爆弾により滅亡した近未来をイメージさせるようなブラック。かつて大都市として栄えたとは思えないほどに爆発による塵やガスが大気中に散漫し日の光が決して射すことのなくなった世界。アクシズ落としが成功して核の冬が来ていたらまさにこんなカンジであっただろう。
とにかく全編に渡り徹底して不穏、常に暗雲立ち込める今にも落ちてきそうな近い空がこの灰だらけと化した世界をどこまでもどこまでも覆っているよう。チェロにハープが使われているこのVHERNENであるが、もはやKeyなのかチェロなのかそれともハープなのか判別不能、ストリングスも絡んだその形容しがたい不協和音が延々と深くそして限りなく暗く悲しく響く。しかしそれらはその反面、重く深いながらもそれでも高らかに美しく響く。その2面性のためどこか近未来的な印象を受けてしまうのであろう。他のレビューサイトでDARKSPACEの名が挙がるのもうなずける。ノイジーというかノイズにしか聴こえないトレモロリフ、たまに登場する遠くで呻いているようながなりボーカル、もはや死にかけ歩くのもやっと何とか這いずるように1歩1歩進んでいるかのようなゆったりドラムにその後の希望を根こそぎ摘み取るが如く単調極まりないドス黒い音を刻むベース。これらにより素晴らしいまでの暗黒世界が表現された完成度の高いブラックである。

作業用に聴いたら作業はかどらないこと間違いなし。




RETURN TO REVIEW



RETURN TO TOP