MUTIILATION / Vampires of Black Imperial Blood

Full-length, Drakkar Productions
1995

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フランス産。1st。

フランスブラック界大御所、LLNのMeyhna'ch氏による邪悪暗黒カルトプリミティブブラック。
Drakkarから95年にリリースの1000枚限定オリジナル盤はもはや入手困難どころか不可能に近く、01年にようやく再発されたジャケ違い500枚限定盤も入手困難なところからもマニア&カルト(音とは別の意味での)っぷりが垣間見える。04年に再々版とも言えるブートが出ていますがこちらもそれなりに困難かも。

さて、肝心の中身ですが、これはもうカルトとしか言いようの無いプリップリのペラッペラのスッカスカ。ドラムもパコパコスタスタ。ミドル主体の時折ファストの宅録かよってカンジのチープさ。もちろんすべてイイ意味での表現である。不穏なリフとその邪神のようなイーヴルな叫びは悶絶モノ!とにかく百聞は一聴に如かず!!!w

再々版はリマスターされてドラムの音が大きすぎてオススメできないとか。が、そもそもオリジナルを手に入れて聴くなんてことがもはや不可能という理不尽さ。再々版問題なし。それでも聴くべし!




MUTIILATION / Remains of a Ruined, Dead, Cursed Soul

Full-length, Drakkar Productions
1999

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フランス産。2nd。

Meyhna'ch氏のカルト最凶プリ再び!
オリジナル盤は1000枚限定。タイトル&ジャケ違いで再発されている。ちなみに再発盤のタイトルは「Evil - The Gestalt of Abomination」

MUTIILATIONは1stが評価高いようですが、オレ個人としてはこの2ndこそがナンバーワン!!!「どのアルバムがオススメ?」と聞かれたら「誰がなんと言おうと2nd!!!!」と即答できます。
さて、2ndとは言うもののその実93年のデモが1〜5曲目、96年のデモが6〜7曲目という1stアルバムの前後の時期の音源集。時期が時期だけにそれはもうスゴイことになってます。
まずはボーカル。イカレて逝かれてます。1stでも随所にイカレてましたがそれよりもスゴイ。イカレボーカルといえばすぐに頭に浮かぶSORTSIND、MALVERY、SILENCER。もうこの2ndに限っていえばこれらと同等。もう人間の正気の声とは到底思えない。つうか正気の沙汰じゃない!さらに演奏が超ヘタレ。音質は下の下、ドラムは「何でこんなズレてんの?」ってカンジでパスパススカスカ、ジージーギターのソロが入ってたりします。しかし!!!これが超絶カッコイイ!!!Meyhna'ch先生だからこそできるこの芸当。下手ウマとはまさにこのこと。ヘタレじゃないと逆にダメなんて、モタつきといい初期カーカスのドラムと同じカンジ。ノイズなんか「ワザと入れた」ではなくて「入っちゃった」ってカンジ。
1曲目は超キラーソング。未だにムショ〜に聴きたくなる時のある1曲である。

6〜7曲目は1st以降のデモのためドラムも打ち込みってこともあってハッキリ言って面白くない。

初心者超厳禁カルトブラック。
ブラック聴きだして1年ぐらいの人が「2ndスゲイイよ」とか語ってたらそれは99%ハッタリだ!ってぐらい。つうかそんなんでこの良さが分かるハズもないのは明白。あと、ブラックと言えばシンフォってぐらいシンフォ好きな人とかにもオススメできません。

これを聴かずしてカルトブラックを語ることなかれ。




MUTIILATION / Black Millenium (Grimly Reborn)

Full-length, Drakkar Productions
2001


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フランス産。3rd。

オリジナル盤は3000リミテッド。再販はまたもやタイトル&ジャケ違い。ジャケもタイトルもよく似ている。ジャケは再販の方は車椅子正面方向からのカット、タイトルは「Grimly Reborn」

良くも悪くもだいぶ普通に落ち着いた。今までのような超独特なボーカルが普通のがなり声になり、あのポンコツドラムが打ち込みに。一番変化のないのがギターだが、とは言えどメロウなリフが増えている。
個人的にこの変化はスゲ残念。あの狂気をもう一度味わいたかった。

しかしながら次なる新たな進歩として十分に聴き応えがあるのは間違いない。あくまで「2ndと比べて」落ち着いただけであり、その暗黒の帝王たる風格に伴う音楽は顕在。打ち込みは打ち込みで何故かヒジョ〜に曲とマッチしており無機質さが楽曲の雰囲気を底上げしている。
疾走パートもなかなか特徴ありで、実は疾走と書くのもおこがましいっていうぐらい疾走なんかしてないのにこれまた何故か結構疾走しているように聴こえてしまう摩訶不思議さ。

多分、魔力。




MUTIILATION / Majestas Leprosus

Full-length, Ordealis Records
March 2003


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フランス産。4th。

2000リミテッド。再販は1000リミテッドでブックレットに歌詞が付いているらしい。

3rdにおいて変化のあったMUTIILATIONだが、今作もその変化のあった3rdと同じ路線であると言える。
一般的にやはり3rdと比較され、やはり3rdの方が好評価のようであるようですが、なかなかどうして、この4thもイイですよ。ていうか個人的には同列もしくはそれ以上。
既に述べたように3rd路線をベースにしながらも一層の疾走感を与えてくれている。3rdのメロディアスさはそのままにして、不必要なミドルテンポ部分を極力まで削除したカンジ。
なお、3部構成であり、パート1が1〜3でFrom the Evil Vortex
、パート2が4〜6でPredominance of Belzebuth、パート3が7〜9で...To the Suicidal Voidということらしい。

3rd好きならまずイケる作品。




MUTIILATION / Rattenkonig

Full-length, Ordealis Records
January 14th, 2005


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フランス産。5th。

デジパック1000リミテッド。

最大の特徴はその音質にあるといえる。
前作まで徐々に音質が向上していったが、この5thにおいてイキナリ音がこもりまくっている。
2nd→3rd時の路線変更(とまでもいえない変化だが)のように、今までの過去をスッパリ断ち切って荒々しく狂い撒き散らしていた精神が復活したかのようである。この変化は個人的に2nd→3rdの変化より断然良い。

この5thはどこもかしこもで結構叩かれているが、おそらく3rdが大好きな方たちからの意見であろう。

この音のこもりっぷりはプリ好きにはたまらないだろう。とは言えど1stや2ndのようなナチュラル悪音質とは異なり、あきらかに人為的にこもらせている。

この音とメロが少なくなり適度にファストな今作は、1stよりも2nd、3rdよりも4thが好きというマイノリティ街道まっしぐらのオレには良盤。つまり逆に言えば3rdとか好きな人には駄作なのかもしれない。




MUTIILATION / Sorrow Galaxies

Full-length, End All Life
September 2007


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フランス産。6th。

4曲すべて10分程度と1曲1曲が大作となっただけでも特徴と言える。バコバコドコドコ腹に響くドラムが生ドラムに戻ったことも見逃せない。

Meyhna'ch氏らしい邪悪ながらもメロディアスな楽曲がこの10分あまりの中で大きく展開していく。

基本はやはりファストといえるだろうが、ミドルテンポも多く取り入れられている。あいかわらずの不穏で陰湿なデロデロリフにザラザラトレモロ。ダルッダルのスローなドラムから一転疾走したりと、シンフォや鬱系さながらの展開が今作のもうひとつの特徴。
そこにAttilaとよく比較されている呪怨Voが妖しく歌い上げられ、様々な負の世界に渦巻く悪素を吸収しながらも禍々しくもどこか美しく進んでいく。5thでも僅かにみせた遊び心SE?も入っているww

3rd以降の流れを失うことなく、もうワンランク上の境地に至った作品。
3、4、5が好きなら確実に楽しめる。






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