CHAOS MOON / Languor into Echoes, Beyond

Full-length, Ars Magna Recordings
July 2007


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アメリカ産。1st。

Esoterica氏&Jack Blackburn氏によるメロ/ファストブラック。

後述の2nd「Origin of Apparition」にノックアウトされたため即買いした1品。2ndと同時期発売かつ2ndの「反アルバム」ということらしい。ちなみに当然2ndはこの1stの「反アルバム」である。

開始3秒K.O.
相変わらずスタートからぶっ飛びまくってる絶叫にパスパスに乾いたテンション高いブラスト、非常に明確で明快な、分かりやすく聴きやすい、しかし美しいメロディックなリフのメロファスト。後述2ndのように疾走中は鬼の軽快さで自然にヘドバンせざるを得ない点は同じでありとても彼ららしい曲である。聴いた瞬間CHAOS MOONと分かるこのテンションを内包する疾走と絶叫だが、それでいて明らかに2ndとは一線を画すこのメロメロさが一番の特徴か。メロディアスであるが多々あるヘタレブラックのダラダラとしょ〜もないメロディ展開を延々と続けるそれとは違い何というか非常にスマートであるのが素晴らしい。ミドル展開時にはここぞとばかりにベースがその柔らかく暖かみのある音で前面に出てくるプラスやたら2バスドコドコ。Keyもその展開には欠かせない要素でありストリングス調にドラマチックかつ神秘的にそして時にシンフォのように、4曲目ではそのメロウなリフを後ろから後押し&どこかアトモスな雰囲気を作り出す主役級の活躍。続く5曲目でもクリーンなアコギとともにその完成度の高さをアピールしつつ響き渡る。響き渡ってからの一転してのド疾走&絶叫という展開にまたも完成度の高さを思い知らされる。

…が、アルバム後半そのKeyによる展開に溺れ過ぎな感も否めない。
Keyによる旋律一辺倒とまではいかないにしてもちょっと酷い。
その特徴たるメロ&ファストが見事に影を潜めて皆無に等しい。

しょうがないので「クールダウンにはちょうどよいかも」とでも無理矢理思い込むことにしている。




CHAOS MOON / Origin of Apparition

Full-length, Wraith Productions
July 30th, 2007


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アメリカ産。2nd。

Esoterica氏&Jack Blackburn氏によるファスト/デプレ。

前述1stの「反アルバム」である。

開始1秒K.O.
出だしからスゲエ!!!
何故か笑いそうになるほどのアホドラムと絶叫。うっすらKeyをベースに縦横無尽に所狭しと疾走しまくる。その疾走中の疾走の中にもガラッとミドルな展開。かなりとても秀逸。
ここで強調して素晴らしいと言いたいのがその展開の入り方が決してダレるようなウザイ展開ではなく、サッと味付け程度に入ってまた基本に戻って疾走しつづけるというところ。「ミドルとファストどっちがメインだよ。つうかメロブラ?」と言いたくなるようなハッキリしない優柔不断なブラック軍団共にまさに見習ってほしいこの展開。これぞ展開。
4曲目〜7曲目にかけてはデプレらしくアコギ&アルペジオにうっすらKeyと叙情あふれる哀愁悲しみメロディ重視の旋律の中ドラムだけが水面下で疾走する。そして再び7・8曲目において1曲目と同じ、もしくはそれ以上のテンションにて突っ走る。4〜7曲目のデプレ曲中に架けられた十字架、足枷、鎖や拘束衣をその負と邪悪のパワーでブチ破って己が真の力を解放、このくだらない世界を終わりに導くがために解き放たれた邪神のように爆走する。そしてその爆走にも埋もれることなく負けずと我を顕わに奏でるリフ&それらをもすべて飲み込む程の絶叫ボーカル!後半から加わるKeyのメロディとベースの絡みがたまらなく美しく切ない。もうそれぞれのパート、どのパートが主役なのかすら分からない程にすべてが完璧であり見事に融合している。

神盤認定。




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